『prologue's END』 A:男性。後悔に苛まれるロボットエンジニア。 B:女性型。破壊され倒れ伏すロボット。 (SE:大地に横たわる2人に降り注ぐ、雨の音) A01「ごめんなさい」 B01「ごめんなさい」 A02「ごめんなさい」 B02「ごめんなさい」 A03「ごめん……ッ(咳き込む)」 B03「ごめんなさい」 A04「……いいんだ。なあ、もう、いいんだ。……ああそうじゃない。そもそも僕が悪いんだ。僕   だけが悪いんだ。僕が君を壊した。僕が君を殺した!君を直してあげるとうそぶいて!ご大   層な夢を語り聞かせて!あげく!純真な君を……ッ(咳き込む)……君の目の前で、全てを   ぶち壊したんだ!」 B04「ごめんなさい」 A05「謝るなロボット!……ぜぇ、ぜぇ。なあ、君にどんな落ち度がある?君が何か過ちを犯した   のか?だったらそれが何なのか答えてみせろよ、なあ!」 B05「ごめんなさい」 A06「そうじゃないなら、せめて僕をなじってくれよ。呪ってくれ。なあ、頼むよ……」 B06「ごめんなさい」 A07「……とっくに、とっくに壊れていた、か。(咳き込む)ああ、雨が、冷たい」 (SE:Bが体をきしませ、弱々しくもAを抱きしめる音) A08「え……」 B07「ひとりに、しないで」 A09「何を……。おい、おい!こんなこと意味が無いんだ!君が僕に覆い被さったところで、僕を   雨から庇ってくれたところで、そんなの(咳き込む)何の意味も無いんだ!僕はもうすぐ死   ぬ!こんなの、君の死ぬのが早くなるだけだ!」 B08「ひとりで、死なないで。ひとりで、死なせないで」 A10「……嫌だ」 B09「ごめんなさい。どうか、最後の、最後の死に……」 A11「嫌だ!嫌だ、嫌だ!死にたくない!君の傍で死にたくない!まだ。今度こそ、君を直すまで   まだ。まだ。まだ。死にたく。まだ……かみさま……!」 B10「……ごめんなさい」