『過言語性きなこ餅症候群』 A:女性。甘えたがり且つ情緒的言語コミュニケーション過多。同棲している恋人同士。 B:男性。ゆー君。言語コミュニケーションへのやる気が感じられない。 A01「お昼です。今私、雑誌を読んでいます」 B01「……」 A02「ゆー君は何かパソコンをやっています」 B02「……んー」 A03「さて私、きなこ餅が食べたいです」 B03「……おー」 A04「きなこ餅が食べたい」 B04「うん」 A05「きーなーこー餅ーがー食ーべーたーいー!」 B05「ええい、なんだよ」 A06「このコミュニケーション駄目人間め!いい?私、きなこ餅、食べたい」 B06「はい」 A07「そこで『はい』と言うかー……。で、あなた、きなこ餅、食べたい?」 B07「はい」 A08「やった。では食べましょー」 B08「とりあえず、俺はきなこ餅を買ってくればいいのか?」 A09「きなこ餅は買ってくるものではありません。作るものです。そしてちょうど今材料はすべ   て手元にそろっています」 B09「何か俺が手伝うことは?」 A10「ありません。私が作るのであなたはここで待っていてください」 B10「あれ、じゃあ俺の意見はどうでも良くね。今の会話の流れ、必要か?」 A11「ねえ、そんなに私のこと嫌い?」 B11「は?超好きだけど」 A12「さ、さよ(左様)ですか……。じゃあ、作るよ?」 B12「おー」 A13「きなこ餅、作るよ?」 B13「はい」 A14「なんか『作るよ』って響き、エッチくない?」 B14「はいはい、わかった。俺も台所に入ってやるから、さっさと作って食べようぜ」 A15「ねー、きなこ餅好き?」 B15「好きだけど」 A16「も一回言って」 B16「好き」 A17「私も好きー」 B17「ひっつくな。いいから歩く。きなこ餅作るんだろ」 A18「作るー」 B18「だから離れろって」