吸血鬼もの

Ａ　ユウ
Ｂ　へリング（ヘルシング）
Ｃ　ギィ
Ｄ　ギィママ
Ｅ　村の人っぽい人



（車内、運転しながらの会話）
A1「町が見えてきましたよ、起きてくださいヘリング」

B1「ん……飯は食えそうか？」

A2「運がよければ……この地方はワインが美味いらしいです」

B2「……おい、俺が酒飲めないの知ってるだろ」


（車停車、外）
B3「それにしても乾いた土地だな、土も痩せてる」

A3「こういう場所じゃないと美味いワインは作れないんですよ、あ、そこの君ちょっといいかな」

C1「うわすごい！　前世紀の車でしょこれ、燃料で走るんだよね」

B4「ほう…解るか、こいつはメイドインジャパンでって、おい！勝手にその辺触るんじゃない、それっ！
　　その剣に触るな！聞いてるのか小僧！！」

A4「ヘリング、子供のすることにいちいち目くじら立てないでもいいでしょう？　
    ねえ君、自己紹介がまだだったね、僕はユウ、こっちのおっかないおじさんはヘリング
    って言うんだ。勿論怪しいものじゃない、良ければ君の名前も聞いてもいいかな？」

C2「僕はギィだよ、そっちのおじさん、腰に差してるのはリボルバー？」

A5「銃好きなんだ、貸してあげようか？　弾は入ってないから」

C3「わあ！　ありがとう！！」

A6「ばん！」

B5「ユウ！　さっさと話を進めてくれ」

A7「わかってます、ねえギィこの辺りにどこか美味しいものを出してくれる店はあるかな？」

C4「ユウ達おなかすいてるの？　それなら僕の家に来てよ、この辺じゃ一番美味いワインを出すし
    勿論料理だって、母さんが作るラザニアは最高だって評判なんだから！」


（場面　店内）
A8「おじゃましまーす、いい匂いだな！」

C5「いらっしゃい、それじゃ注文は何にする？」

B6「適当に、お前に任せる、こいつはワイン、俺はトニックだ」

C6「そんな洒落た飲み物あるわけ無いだろ、普通の炭酸水でいいよね、冷えてないけど
　　母さーん！ラザニアを二人前！！」

C7「はい、ワインと水は飲み放題、僕はもう一度車見てくるね」

A9「ああ、どうもありがとう、くれぐれも壊さないように頼むよ？」



（ギィいなくなる）
A10「さてへリング、どうやら運は良かったみたいですよ、仕事も楽に……」

B7 「いや、遅かった、ここは巣だ、解らないのか？　料理に混じって、嗅ぎなれた血とハラワタの匂いだ」

A11「まさか！　ちょっと厨房の様子を見てきます！！」


（場面　厨房）
A12「ギィのお母さん！、いますか！！」

D1 「あ、お客様、もう少しお待ちください、もうちょっとで、ほら、こんなに沢山
     綺麗でしょう？、ぷにぷにの柔らかそうな私の、わたし、わた」

A13「う！　くそっ！手遅れか、へリング！　ちょっと来てください、大変なんです！
     へリングっ！　くそ、なんでこんな事に、早く来てくれ！　ヘルシング！！」


（場面、店内）
B8「怒鳴らなくても聞こえてる！　こっちも腹がカラッポのお客さんだ
    グール一体ぐらい足止めしとけ！！」

E1「ぶぶ、ぶしゅ、ぐしゅ」

B9「こいつら近所の住民か？　１，２，３体、と……
    くそったれ、ペットＯＫなら先に言っとけ……
    大体俺は犬に首輪つけない飼い主は嫌いなんだ、こんな店来るんじゃなかった」


（場面、厨房）
A14「さて、どうしたものかな、唯一残った急所の頭は綺麗に切り飛ばさなきゃいけないし
     銃なんかで……」

D2 「わた、わぁぁた、ぶしゅーあーあ゛ー！」

A15「あー奥さん？、それ、ラザニア、終わったら頂くんでそっとしといて下さい
     仕方ない、片足だけでも！」



（場面店内　ヘルシング、グールやっつけた、店ぼろぼろ）
B10「ふう、毎度毎度行儀が良くて助かる、なんだか店も片付いたしな
　　テーブルと椅子は、どうせもうここには必要ないだろ、さてと」



（ヘルシング厨房へ）
B11「おい、生きてるか？」

A16「遅いですよ！、早く止めを」

B12「まて、なるべく美人に見える顔の時に……（首切断）なんてな」

A17「遊んでる場合じゃないでしょうヘルシング！……ふう」

B13「照明にぶら下がってるお前が面白くってな」

A18「そりゃあ良かったですね!……それよりも」

B14「ああ、親はどこにもいなかった」

A19「そう……ですか。ギィはどこに……」

B15「おいユウ…」

C9 「母さん？　あれ……なんだこれ、皆……？」

A20「ギィ……」

B16「だから！」

A21「解ってます！」

C10「これ……ユウ達が、やったの？」

A22「ギィ？、銃が好きなんだよね？」

C11「何言ってるの？　なんなんだよこれ！」

A23「でも……ごめんね、貸してやれないんだ、弾が入ってる」

C12「……えっ！」
（銃声、ギィ頭ふっとぶ）
A24「……ばん」

B17「まったく、獲物に感情移入してどうする」

A25「ほっといてくれヘルシング、僕は君とは違うんだ、それより、ほら」

B18「ああ、吸血鬼様のお出ましだ」
（ギィの首からぐちょい生物　ヘルシングが突き刺して殺す）
A26「どうやら、この辺りは全滅みたい、ですね」

（車に乗り込みながら）
B19「おそらく、町の中心までな、親が何匹いることか」
（エンジン）
A27「じゃあ行きますか、へリングさん、暗くなる前に終わらせましょう」