「突発:ダークファンタジー」 魔女…>>746  少年…>>748  剣士…>>750 少「…ほんとに、行くのか?」 剣「ああ」 少「どうしても?これだけ頼んでるのに?」 剣「行かねばならない。分かっているだろう」 少「…確かにあんたは強いよ。だけどさ、いくらなんでも一人で皇帝と戦おうなんて無茶だよ!   それよりもさ、ここに残って、魔女の手先からこの村を守ってくれよ!」 剣「守るとも。だがここには残らない。私がここに残って、この村を襲う魔物どもを殺し続ける…   そうすれば、お前たちは安穏としていられよう」 少「それは…あ、あんたを一人で戦わせやしないさ!俺だって、村の大人たちだって、   一緒になって戦うさ!だから…」 剣「雑草と同じだ。いくら葉をちぎろうと、根元を断たねば死なない。   戦うのなら、諸悪の根源を倒す戦いを選ぶべきだ。魔女の手先ではなく魔女を、そして皇帝をな」 少「でも…皇帝に立ち向かって生き残った人は…いないんだろ?   魔女だって、何年も前に村の大人たちが討伐に行ったけど…誰も戻ってこなかった」 魔「そういえばそんなこともあったわね。良く知ってるわねえ。偉いわ、ボクちゃん」 少「なっ!?」 剣「!…貴様」 魔「久しぶりね、勇敢なる剣士よ。まだ私の命を狙っているのね」 少「あ…まっ…魔女?これが…あの、藍色の魔女!?」 剣「…無論だ。貴様の心臓に刃を突き立てるまで諦めはしない。」 魔「くすくす。あの女のこと、まだ根に持っているの? あれほど華やかな火葬にしてあげたのよ。   感謝してくれてもいいくらいなのに…」 剣「…くっくっく…よかろう、今ここで死にたいというんだな…望み通りにしてやる!」 魔「あらあら、殿方はすぐにこれだから。子供が見てるのよ?過激な話は大人だけの時にしましょうよ。   ボクちゃんにはまだ早いわ。ね、ボクちゃん♪」 剣「ハッ…」 少「あ、藍色の魔女…よくも…」 剣「魔女よ」 魔「なあに?」 剣「退け。今日の所は退くのだ」 魔「あらまあ、不躾だこと。いきなり帰れだなんて」 剣「ここで…この村で戦うわけにはいかん。子供も…巻き込んでしまう。   まあ、貴様は気にしまいな。だが、貴様とて先の戦いでの傷、まだ癒えてはいないだろう」 魔「…うふふ。ま、いいわ。もともと今日はあなたと遊びに来たんじゃないのよ。   私がこの村へ送った魔物が戻ってこないものだから、様子を見に来ただけ   そしたら貴方がいた。…元気そうで何よりだわ」 剣「ほざけ。次に会った時こそ殺してやるぞ」 魔「くすくす。荒々しい殿方は好きよ。嬲り甲斐があるわ。それじゃあ、今日はお暇するわ。   またね、可愛いボクちゃん」 剣「ふん、去ったか。…小僧、驚いたろう。あれが魔女だ」 少「あれが…あいつが…」 剣「どうした?」 少「あいつが…父さんと、母さんの仇…」 剣「!」 少「…ねえ、剣士さん。俺…気が変わったよ」 剣「何?」 少「俺…剣士さんについてくよ。一緒に行く。俺、自分で魔女と戦う。そして、皇帝とも」 剣「おい、何を言い出すんだ」 少「あいつ…俺の眼の前にいた。息をしてた。話してた。俺の手の届く距離で。   あいつは…俺と同じ、生き物なんだ。………だったら、俺でも殺せるはずだ。俺の手で」 剣「正気か」 少「正気さ!ねえ、俺に剣を教えてよ。俺、あんたみたいに強くなりたい!   強くなって、そして…」