阿「お前さ、『イットウ・ニヒ・サンショウ・シギ・ゴサイ』って知ってる?」 吽「何それ? え? なに、全然聞き取れなかったんだけど」 阿「一盗二婢三妾四妓五妻だよ」 吽「始めて聞いたわ。何、どういう意味?」 阿「なんでも、江戸時代に男たちの間で言われていた、セックスしたい相手の序列らしい。一番燃えるのが他人の嫁をとること」 吽「おう、ネトラレだな」 阿「二番目が女中や下女」 吽「メイドさんか!」 阿「三番目が愛人」 吽「イケナイ恋だね〜」 阿「四番目が娼婦」 吽「風俗嬢かー。病気は怖いけど、技術力は折り紙つきだぜ? おれなんかこの前――」 阿「五番目が本妻だ。自分の嫁さんな。好きな女と結婚しといて、その人よりもセックスしたい相手が四人もいるなんて、なんか複雑な話だよなぁ」 吽「あれだろ? 結婚するといろいろあるんだろ? おれは未婚だからわかんないけど」 阿「それでさ、お前はどう思うよこの順番」 吽「あぁそうだなぁ、まぁ、嬢は言わずもがな。でも、愛人っていうのも都合がよくていいよねぇ」 阿「メイドさんは?」 吽「言いなりになってなんでもやってくれそうだよな、こう、夢が膨らむよな! 夢だけじゃないけど!」 阿「いちいちそんなこと言わなくていいよ。他人の嫁さんってのは、今一つわかんないけどね。あとあと面倒じゃない?」 吽「禁止されてるからこそ萌えるんだろ? わかってないなぁ……。近親相姦とか、教師と生徒の恋とか、そういうのも山ほどDVDが出てるってことは、つまりそういうことだよ」 阿「そうかー。……でもさ、このランクが江戸時代だなって思うところがあるのよ」 吽「わかるわかる。俺もなんか違うなーって思ってたんだよ」 阿「やっぱり? だってさ」 二人「二次元嫁が一番だろ!」