クリスマスの予定(一人称は読む人の自由に変えて下さい) 真っ赤なお鼻のトナカイさんはぁー♪ いつもみんなのー、わぁらぁいぃものぉ・・・ あ、こんばんわ。私、トナカイです。 いやー、ついにきましたね!クリスマスウィーク! 皆さんはどんな聖夜をお過ごしになる御予定ですか? 私? うッふッふッふ・・・。ふぅ・・・ ねぇ・・・? 知ってて聞いてるのかなぁ? 知ってて聞いてるんだよねぇ?知らないはずないよね? わざとだよねぇ!?ねぇ!!! あんたが彼氏の前で四つん這いになってオネダリしてる頃に、 私は髭のジジイにケツ突き出してムチで叩かれてんだよ! あぁ!? はぁ・・・。 私はさ、物心ついた時にはもうトナカイだった。 言葉を覚えるより早く、ソリの引きかたを覚えた。 他の連中が楽しく盛り上がってるイブの夜に、 冬の外気に凍え、重たい荷物を乗せて、夜が明けるまで走り続ける。 朝方、やっとの思いで仕事を終え、サンタの奴を送り届けてから家路につく。 当然みんなは寝てるから、『お帰り』の言葉すらないんだよね。 リビングには形の崩れたクリスマスケーキの食べ残しと、 冷えきって硬くなったケン○ッキーフライドチキンが数ピース。 一人で食べるクリスマスチキンはさぁ、私の心と体から、温もりを奪って干からびさせる。 口に入れると、この心と同じくらいに冷たい舌触りがする。 レンジを使うのすら億劫だから、味のしないその塊を、そのまま胃袋へ放り込むんだ。 そうやって、とりあえず胃袋を満たしたら、あとは泥の様に眠りにつくだけさ。 目が覚める頃には日付も変わり、年に一度のお祭りは過ぎ去ってるって訳よ。 これが私のクリスマスの予定だよ・・・。 な、なんだよ・・・。同情なんかされたくねぇっての! 同情じゃぁ何にも満たされない!その場しのぎの綺麗事なんかで私の心はなっ、なっ・・・ チュッ その年のクリスマス、トナカイの鼻は、より一層赤く染まって見えました。 I wish your Merry Christmas!