A01「ゴミ捨て行って来まーす、っと」 (※SE:カパッ、とAがゴミ箱のふたを開ける音。もわぁ、と悪臭が漂う音) A02「うっ」 A03「なあなあ」 B01「うん?ゴミ捨てはどうした」 A04「ゴミ箱ってゲロの匂いがするよな」 B02「……うん?」 A05「な」 B03「あー、うん。昼飯の弁当のカラとかパンの包み紙とか入ってると特にそうだよな。わか るわかる。……で?」 A06「さっき思わずゲロ吐きかけたんだ」 B04「そっかー。よくあるよな―、そういうのー。……で?」 A07「そこでボカァ気がついたのさ。ゲロの匂いがするからゲロが出るんだと」 B05「そりゃそうだろ」 A08「そう、ゲロの匂いがするからゲロが出るんだ!」 B06「ゲロゲロ言うな」 A09「すなわち、ゲロとゲロとは互いに引き合うのだ!ゴミ箱の中のゲロが仲間を求めるから 、口の中からゲロが溢れ出すわけだ!だとすれば!これを応用することによって良い感じ なことも出来るかもしれない!例えば!美味しい美味しい苺の匂いを嗅いで、美味しい美 味しい苺を吐き出せるかもしれない!」 B07「意味わかんねえよ!つーかその理屈だとヨーグルトなんかはどうなるんだ。ぶっちゃけ 匂いだけ嗅いだらヨーグルトもゲロも区別がつかないぞ」 A10「なるほど。つまり、ヨーグルト、イコール、ゲロ!」 B08「違えよ!」 C01「謝れ!お前らヨーグルト農家に謝れ!」 A&B『ヨーグルト農家って何だよ!』 C02「ヨーグルト農家を馬鹿にするなー!」 A&B『だからヨーグルト農家って何だよ!』 B09「ところでお前どっから湧いてきたの」 C03「だってお前らがヨーグルトの悪口を言うから」 B10「まあいいや。おい、ちょっと駅前の八百屋行って苺買って来い。5分以内な」 C04「話も聞かずにパシリ!?」 A11「酷いな」 B11「お前の実験につきあってやってるんだろうが。いい加減鬱陶しいし。それにこいつは… …伝説のパシリだ」 A12「何!?あの、伝説のパシリだと、こいつが!?ならば早く行け!4分でだ!」 C05「うわーん!みんな大嫌いだー!」 C06「そうして僕は走りだした。滝のような涙を両の瞳からあふれさせて走った。走って、走 って、それから走った。駅前の八百屋まで。売ってなかった。品切れだった。ちくしょう 。だけど諦めるものか。僕は近所のスーパーで苺を買って帰った」 ----------------- A 12 B 11 C 6