ネギ、シルベスタ、アボリジニ。 女01「はぁ……ついてないなぁ、信号渡ってたら10tトラックにはねられるなんて……  でもまぁ、100%向こうの過失だから、全額相手持ちでこうして個室入院できてるんだけども」 (においを嗅ぐクンクン) 女02「ん……?なんか、(くんくん)ネギくさい……」 男01「コンコココーーーン!」 (ドアを開ける) 男02「俺だーーー!」 女03「うわーなんかウザいの来たー」 男03「カモが来たぜぇー?」 女04「おおホントだ、ネギしょってるーっておい!」 男04「はい」 女05「なんでお見舞いにネギ!」 男05「だって、お見舞いだろ?」 女06「だって、お見舞いだよ?」 男06「よく言うだろ、ネギは万病の素だって」 女07「多分万病に効くだと思うんだ!っていうか病気の素をお見舞いに持ち込むってどうなのよ!  それに私、別に病気してるわけじゃないわよ、ほら」 (ギプスでつっている足をゆらゆらさせる) 男07「うおおお!!?よ、よく無事だったな……」 女08「うん、よく言われるし自分でもほんとそうだなーって」 男08「こんな重度の水虫だったなんて……」 女09「ちょっと待てーおい!なんで水虫で入院して足つってんの?!  そんな大々的な外科治療が必要な病気じゃないでしょそれ!」 男09「甘い!!!このお見舞いのシュークリームより甘いぞそれは!」 女10「お、ありがとー。ちょうど甘いもの食べたかったんだよねー」 (シュークリーム開封) 男10「水虫を甘く見るとかゆい目にあうぞ!」 女11「うんうん、水虫はかゆそうだもんねー」 (シュークリーム食べながらなので、話はどうでもいい) 男11「だからあれほど足を清潔にしろと」 女12「だから水虫じゃないってー、ごちそうさま、っと」 男12「早っ!……水虫じゃないとしたらなんなんだ、この足は。  まるで信号を渡ってたら10tトラックにはねられたような足じゃないか」 女13「信号渡ってたら10tトラックにはねられたんだってば」 男13「なんだとーーーーぅ!よく無事だったな!!!」 女14「だから、よく言われるってば」 男14「そのトラック」 女15「こらこらこらこらー!トラックじゃなくて私の心配しろってからに!」 男15「ほらネギやるよ」 女16「いらないよ万病の素なんて!」 男16「そうかぁー。…しっかしあれだな」 女17「ん?」 男17「結構長くなりそうだな、入院」 女18「まぁねぇー、10tトラックにはねられて全治2ヶ月で済むんだから、まだマシよねぇ」 男18「毎日見舞いに来てやろうか」 女19「え、べっ、別にいいよ!検査とかリハビリとかで、忙しいし」 男19「俺が毎日来てくれたら嬉しい?」 女20「な……なんだよ……」 男20「それともこのシルベスタファミリーの方が嬉しい?」 (袋から取り出す) 女21「それシルバニア!!!スタローン人形とかどんだけランボーなのよ!」 男21「女だから、こういうかわいい人形が好きかと思って」 女22「いや確かにショコラうさぎちゃんはかわいいけど!」 男22「ちゃんとお父さんシルベスタ、お母さんシルベスタ、子供シルベスタと」 女23「シルバニアだってば!」 男23「家族かぁー……」 女24「まぁ、もらっとくけど……あー、意外とこれかわいいなぁ」 男24「俺さ、結婚してって言われてるんだ」 女25「え、うそ……」 男25「親に」 女26「なんだよそれ!……いつの間に彼女作ったのかと思ったわ……」 男26「俺まだ彼女もいないよーって言ってんのにさ」 女27「そ、そうだよね、あんたみたいな変な奴に彼女いたら、そりゃびっくりだわ」 男27「作ろうかなー」 女28「無理だわー」 男28「だよなー」 女29「……」 男29「んじゃ俺帰るわー」 女30「あ、うん、わざわざありがと」 男30「アボリジニー」 女31「お大事にーだろうがアホ!」 男31「次はちゃんと言うわー」 (ドア閉まる) 女32「……そら無理だわなー……私素直にならないとなー……」 男32「次は……ちゃんと、言うか……」