下界へGO! 天使:明るいだけが取り得の馬鹿天使見習い 師匠:口調が重々しい天使の師匠 天使01「だーれだ♪」 師匠01「…………」 天使02「だーれーだー♪」 師匠02「馬鹿だな……」 天使03「えぇぇぇぇぇぇ!?」 師匠03「普通そういう事は、対象の背後から近づいて行うものではないのか」 天使04「対象に合わせて、難易度を幼児並みにしてみたよ!」 師匠04「余程この分厚い本の角っこで眉間をぐりぐりされたいようだな……」 天使05「あ゛ーー、あ゛ーーーーーー!!!」 師匠05「して、何だ。いきなり目の前に来て『だーれだ♪』などと言うからには、それなりの理由があったのではないのか」 天使06「うぅぅぅ……想像以上に痛い……ああ、ええっとですね、この度私、下界で修行をすることと相成りまして」 師匠06「ほぅ……やっと一人前になるための準備ができたということか」 天使07「えへへー。んでですね、どうせならついてきてもらおうと思ったんですよ、師匠に」 師匠07「私に……?!」 天使08「はい♪」 師匠08「下界に行け、というのか?!この私に……!!?」 天使09「やだなぁ、行け!なんて言ってませんよ!ついてきてください、って言ってるんです」 師匠09「どちらも同じことではないか!!!……い、いかん、こいつのペースに乗せられては……」 天使10「師匠も随分天界暮らし長いですし、そろそろ行きたくありません?下界」 師匠10「全く思わないな!」 天使11「えぇぇぇぇぇ!!?」 師匠11「あんな場所、二度と御免だ!羽は汚れるし髪は痛むし、たくさんだ!!」 天使12「そんなぁぁぁぁ! じゃあ私、どうやって修行しろっていうんですか?!」 師匠12「本来天使の修行とは一人厳かに行うものではないのか!」 天使13「あはは、もう、師匠ってば!じ・だ・い・お・く・れ♪」 師匠13「もう一度ぐりぐりしようか、いや、こうしてくれようか」 天使14「ぎゃあああああ!やめて!集まる!集まっちゃいます、なんか集まってますって!眉間!」 師匠14「眉間に人差し指は、下級天使にも有効、か……」 天使15「うぅぅぅ……まだなんか気持ち悪い……師匠ぉぉ……ついてきてくださいよぉ……」 師匠15「手続きが面倒だから嫌だ」 天使16「冷たっっ!? ……ふふーん、しかしこの私!そんな師匠の性癖なんて盛り込み済みですよ!」 師匠16「その場合は性格だ!……な、なんだ、その紙は……まさか……!!?」 天使17「じゃじゃーん!保護監督責任者委任状ー!もう天使長の許可印はもらってありますよ!」 師匠17「なっ……」 天使18「へっへーん、弟子の手際のよさに声も出ません、ってカンジですか?」 師匠18「くっ……天使長のお墨付きとあらば仕方ない、か……」 天使19「じゃ、じゃあ……」 師匠19「お前ほどの駄目天使を一人で下界に放つなど、もっての外だからな」 天使20「うっ、地味ぃにひどいこと言われてる気がする」 師匠20「地味でもなんでもなくストレートに言ったつもりだが!!!」 天使21「うええぇぇぇぇぇぇぇぇん、師匠がいじめるー!」 師匠21「うるさい! ……一度下界に降りれば、修行を成し終えるまで天界へは戻ってこれない。 今のうちに挨拶などを済ませておけ」 天使22「ああ、それなら必要ないですよー」 師匠22「む、そう、なのか……?」 天使23「はい♪ 私には、師匠しかいませんからね!」 師匠23「…………そう、か」 天使24「さぁ、行きますよ!下界っっ!!」 師匠24「え、ちょっ、もうか?!」 天使25「はいっ♪ 善は急げですよ、師匠!ゴーゴー♪」 師匠25「こら、私はまだ挨拶を済ませてな、おいっ!!おいっっっ!!!!!」