『まちにまったようせい』 この街には妖精さんがいない。 大きな水溜まりがあっても子どもがいない。 みんな塾に行って遅くまで勉強しているから。 たまに自動車が派手な水しぶきを上げるけど、 魔法をかける前に遠くに行ってしまう。 コーヒーカップがあっても大人がいない。 みんな残業が続いて疲れて寝てしまうから。 たまにコーヒーを煎れる人もいるけど、 おまじないが届く前に一気飲みしてしまう。 この街には妖精さんがいない。 ……なんてことはないのだ! 入道雲 ↓ 夕立ち ↓ 雨粒とともに妖精さんが舞い降りる! 笑顔よ届け!ワン・ツー・スリー 子どもたち、周りを見るのだ! みんなみんな遊びたくてうずうずしてるじゃないか! 疲れよ吹き飛べ!トン、トン、トン 大人たち、目を覚ますのだ! みんなみんな同じ景色を見つめているぞ! 夕焼け空には大きな虹が架かっているのだ! だって妖精さんはみんなが大好き! だって妖精さんはずっとずっと昔から君のとなりにいたのだから! 妖精さんはそれを忘れないのだ! みんなもきっと思い出すのだ! なぜならば 妖精さんは今もこの街でまっているのだ! 誰もが今日を精一杯に楽しめば 妖精さんはそこに生まれるのだ! この街で妖精さんがまっている 頑張るのだ!君たち!!